33曲め、34曲め。

【33】サニーデイ・サービス恋におちたら


時の洗礼を受けることで、廃れていく音もあるし、更に輝きを増す音もある。藤宮にとってのサニーデイはまさに後者。当時ももちろん好きだったけど、時を経て、年齢を重ね、その良さはまるで、かけがえのない養分のようにじわじわと染み込んでくる。アルバム毎に随分いろんなスタイルに挑戦してきたバンドなので選曲はとても難しいのですけれど、やっぱり。「晴れた日の朝には」ではじまり、ゆっくりと展開するこの曲が真っ先に思い浮かんだ。かつて2階の窓から見えた風景とか、そんな自分だけのカットを思い出しながら聞いてもらいたい。


http://www.youtube.com/watch?v=G6_Ul6s5p7Y


アルバム『東京』に収録。


【34】Flipper's Guitar「ビッグ・バット・バンゴ」


青春とかって、そんなのあんまり言いたくないし、好きじゃない。でも、この曲だけは。16歳で聞いたときも、22歳で聞いたときもそうだった。30越えても、多分おばあちゃんになったって!その時の自分の一番。最も美しい記憶を照らし出し、青春と呼んで差し支えない胸の違和感や、その想いを揺り起こす。一言で言うと「あの頃に戻っちゃう」のだ。軽い調子で歌われていく歌詞は、全てが宝石のようで無駄なものがまるでない。その一つ一つの輝きを手にとって確かめるように、じっくりと聴いてほしい。


(動画なし)


アルバム『カメラ・トーク』に収録。